人との距離感について

先日参加したカウンセリングワークショップ、非常に豊かな時間を過ごすことができた。

 

ワークショップの流れはとてもシンプルだ。身体をほぐして、準備を整えた後、カウンセラー役とクライアント役を交互に担当し、カウンセリングを行う。

 

しかし、カウンセリングが始まってまもなく、1分も経たないうちに、カウンセラーの方の「ストップしてください」という言葉から、振り返りに入っていく。

 

どんな足取りでクライアントに向かっていったか、なぜその位置に座ったのか、なぜ自分の身体が動いていたのか、なぜその言葉を選んだのか、など、一瞬の出来事から読み取れる材料を丁寧に拾い集めながら、カウンセラーである自分のあり方や内面が掘り起こされていく。

 

この振り返りは厳しい言葉や、自分の内面に踏み込むフィードバックがほとんどである。

 

「あなたとは話したくないと思った」「自分の話を聞いてくれていない」「自分に向かってきてくれている気がしない」「感情に寄り添ってくれていない」

 

こんなことを初対面の人同士で何度も交し合う。ただ、どこか気持ちよさ、心地よさのようなものがあるのが不思議だ。きっとそれは自分のありのままを、伝えてもらっているからだろう。

 

そして、更にこの後、僕はカウンセラーの方から、カウンセリングをしてもらった。テーマは「人との距離感について」

 

とりとめもなく、思っている話していくと、だんだんと自分の行動や思考のパターンが解きほぐされていった。僕の中にあったのは「人との間に恐怖を感じると、それ以上先に進むのを止めてしまうか、引く」というものであった。

 

このパターンは、思い起こしてみると、幼稚園の頃、つまり物心ついた頃から繰り返してきたものであった。そして、人間関係が本当にうまくいってきたときには、この逆のパターンである「踏み込み」ができていた時であることにも同時に気づいた。

 

きっと、僕にとっての大事なのは「人に近づいていく中で恐怖を感じた瞬間」なのだろう。そこで引くか、踏み込むかが、僕とその人との関係性における分岐点になるのかもしれない。

 

これが掴めただけでも、大きな気づきであった。人に恐怖を感じる瞬間は、きっとこれからもあるだろうけれど、その瞬間を少し落ち着いて迎えられそうな気がしている。