「中国が儲かるほど、日本は損をする」は本当か?

昨日、藻谷浩介さんの講演会に行ってきた。藻谷さんは『デフレの正体』という本で有名な方。

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

 

この本に非常に感銘を受けていたので、ぜひ一度お話を聞いてみたいと思っており、今回は渡りに船という状況だった。

 

講演は『デフレの正体』の入門編のような内容だった。その一つとして挙げられていたのが「中国が儲かるほど、日本は損をする」は本当か?というもの。これ、一見すると「中国が儲かって、日本が損をする」と考えがちだが、本当は中国が儲かるほど日本も儲かるという構造になっている。実は同じことが韓国を相手にしても言える。

こんな構造になっている理由は、ちゃんと考えればすぐに分かるのだが、中国も韓国も、製品を作る際の部品がほぼ日本頼りになっているからだ。

しかし日本のマスメディアは「中国が、韓国が、日本を経済的にも打ち負かしている」というトーンで報道をするため、無意識の内に「洗脳」されてしまう。実はこんな報道が多いことにもちゃんと理由がある。そもそも経済記者が経済について知らないということ、そして僕らも、経済の基本的なメカニズムを知らないため、また、経済の乱高下を描いた方が「金融産業」が儲かるからだ。

 

ついつい忙しいと、自分で1次情報を取ることなく安易に判断してしまうが「自分は何も知らない」という観点に立って、物事を観ていく力(リテラシー)を持たないと、どんどん周囲に流されることになる。

今回の講演会では、そんな怖さを実感させてもらうことができた。